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『ちはやふる』 13巻 [コミック]

全国大会団体戦、決勝トーナメント。

「欲にまみれた君が見たい」という台詞に、エロい。と心の中でつぶやいてしまった。
つぶやかざるを得ない。
それはエースを見守る観客/応援団の心理として、正直で生々しい感情だと思うから。
「本気のあなたが見たい」ということをオブラードに包まずに言ったらそういうことだと思う。
その台詞に応援の真摯さと観客のエゴの両方を感じてこの巻のベストだと思った。
ざわっとした。
その感情を向けられる恵夢ちゃんが周りの応援と期待を受けて育ってきた子だから、なおさら。

作者の末次さんは相変わらず心の動きを描くのがうまくて引き込まれる。
「クイーン? べつにどうでもええ」とか「なんで声を出すのが私だけなんだろう」とか、
ふっと薄暗くなる気持ちの揺れが、試合の流れとうまくつながってる。

今回のちはやの対戦相手、恵夢ちゃんは周囲の理解者に恵まれていて、
心が疲れたときも本心をさらけ出しにくい状態になっていて、
それがポロッとこぼれる毒舌になるけど、本当は応援にこたえようと一生懸命。
目の前の相手を「叩く」と心の中でつぶやきながら、視線はまっすぐ。

だって、あのカメラ小僧3人組だって、恵夢たんが抱える大きなギャップに気付いていて、
恵夢のがんばりの根源が優しい気持ちだってことを知ってるんだぜ。
知った上で文頭の発言だぜ。いい趣味してる。
ギャグ要員の和ませキャラかと思ったら、どんだけ奥行きが深いんだ。

『ちはやふる』は面白いねえ。体育会系文化部マンガ。
この巻はお互いに一歩も引かない対戦相手がいて、試合の中で磨かれる様子が熱かった。
ライバルと切磋琢磨して育つ少年マンガの熱さだった。
ちはやは、ものすごく推進力のある主人公だと思う。
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『ADAMAS』 6巻 [コミック]

バカップルばんざーい!

『ADAMAS(アダマス)』は世界中の宝石を巡ってジュエルマスターたちがぶつかるアクション漫画。
のはずなんだけど、6巻はジンとレイカのやりとりが楽しくてどうしよう。
「6巻はジェネラル・ジンがすごいよ」という噂を小耳に挟んでいたので、
どんなものかと思っていたら、まさかの見開きで気合いを込めて描かれていたので、圧倒された。
どうしようかと思った。
思い出すたびに笑ってしまう。なんてカッコいいんだ。しあわせだ。
皆川亮二さんのキャラクターでこんな展開の漫画が読めてしあわせ。
というかズルい。もはや反則。

臆面なく求愛するジンがむやみにカッコよく、なぜか照れてぎくしゃくするレイカちゃんが可愛い。
おかしいな、わたしはこんなラブコメを期待して『ADAMAS』を読み始めたわけじゃないのに、
5巻のラストでレイカとジンが良い雰囲気だったのは話のオチにされただけで、
この二人にあるものはせいぜい好敵手的な信頼関係(微糖)くらいだと思っていたのに、
微糖を通り越してすっかりあまいよ! いつのまにか既定路線っぽいよ。
どういうことだ。ぜひこのままのノリを継続してほしい。

こんなはずではなかったと思って2巻のハワイ編を読み返したら、
この時点のジンがものすごくあやしくて眼つきも人外でまなっちろくて、
ラスボスになってもおかしくない常軌を逸して怪しい人だった。
ジェネラル・ジンはアレキサンドライトマスターなので光学迷彩は得意技だろうし、
あのときの姿はレイカ君の目に映っている幻影だったのかなー。

ジンはこれまでのイメージがあるのでやっぱり胡散くさいんだけど、
非人間的な部分と人間味のある部分の二面性もアレキサンドライトの特性のうちで、
どうか“彼女の資質に惚れてるだけでした!”みたいな非情なオチが来ませんように。
死別エンドや生死不明エンドもやめてくださいね。
いつか「笑う牝豹」とどこかのサラリーマンのようなカップルになったらいいじゃない。

レイカは行動力があってしっかり者で精神的にも自立してるところが魅力なんだけど、
ジンには隙を見せることが増えてきて可愛いな。
最近、ジンの陣営、シャニに対しても態度が甘いよね。
レイカ君がジンを思い出すときのビジョンが微妙にキラキラしてるのもおかしい。
そして恥ずかしい(笑) お味噌汁ネタも定番ですが、
この漫画はコテコテの展開を堂々と突っ走るのがデフォルトなので、なにも問題ありません。

それはさておき、この巻ではジンの子ども時代の写真とか
本名とか昔の仲間とか、いろいろな過去話がいっぺんに出てきました。
昔の仲間、ニコライとの対決シーンはわくわくした。
下剋上というシチュエーションも好きだが、帝王が昔の子分をあしらうのも好きだ。
それでもってスーツ!スーツ!スーツ!
皆川さんの描く男の人のスーツ姿、好きだなあ。
さりげなく子どもジンも大人ジンもスーツ姿を披露していてわたくし大喜び。
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『AKB49~恋愛禁止条例~』 [コミック]

家族が買ってる週刊少年マガジンをときどき読ませてもらうんだけど、
この頃、最初に読むのが『AKB49~恋愛禁止条例~』。

簡単にいうと女装した男子がAKB48に加わって目指せトップアイドル……!という設定のマンガで、
連載が始まった当初はAKB48との中途半端なタイアップ企画もしくはイロモノ、
いくら男の娘が流行っているからって思い切ったことをするものだ――と思っていたけど、
読み始めたらアイドルを目指す少女たち+少年1人の心意気が熱いスポ根ものだった。
ライバルと切磋琢磨して実力を磨き、一軍を勝ち取ろうとする姿はまさに王道。
リアルのAKB48はよく知らないけど、このマンガはわかりやすくて楽しい。

毎週欠かさず見ているわけじゃないけど
間隔をあけて読んでも状況が理解しやすくて、台詞がすこーんと入って来る。
「これくらい 名古屋-東京間 1時間半で覚えられるでしょ」
ファン・お客さんという第三の目があって、社会とつながっている部分も好き。

主人公の浦山実(みのる)=浦川みのりは、不自然な状況に自然体で溶け込んでいるのが面白い。
「骨太」と言われるように、女装していても骨格がゴツめでやっぱり少し不自然なんだが、
ステージでのダンスや笑顔を見ると男子にしておくのが勿体ないキャパシティー。
一方で、泥をかぶる度胸やナチュラルな男気を見ると、女の子にしておくのも勿体ないカッコよさ。
アイドル候補の研究生たちの中に緑一点で加わっているなんて
青少年には胸躍るシチェーションだろうに、本命のヒロイン吉永さんのことしか見てないし、
おいしいはずの設定もアイドルを目指す情熱に昇華されてしまってさわやか。

わたしはアイドル「浦川みのり」を応援しているんだろうか。
登場する子たちみんな本気度高くて一生懸命で好きだ。
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『Landreaall』 17巻 [コミック]

『Landreaall(ランドリオール)』が好きなんです。
ガチのファンタジーが好きな人には物足りないかもと思わせつつ、
奥深い設定があることをチラ見せしてくれる。

3巻からこっち、大小の事件を挟みながらゆっくりゆっくり動いていくものがあって、
作者が物語をコントロールしながら、マニアックな部分をセーブしながら
描いていることが伝わってくる。視点はあくまでDXとイオンの兄妹中心。

DXはかなり有能だけど、万能ではないところが面白い。
お兄ちゃんは最初からかなり有能で、人の意見なんて聞かなくて
成長の余地なんてなさそうだったのに、まだまだ懐が広がっていくよ。
いつかは王になってしまうんだろうか。
同じく有能で、しかし苦労性で、それでも覚悟の決まっているアンちゃんが好きなので、
戴冠するかどうかの結末はどうあれ、引き続きDXに振り回されつつ有能さを発揮してほしい。

イオンは、兄とは逆に本質がお父さん似で騎士属性なんだな。
あの子はきっと守るべきものの為に剣を捧げる、いい騎士になる。

『Landreaall(ランドリオール)』は学生寮で暮らす
さまざまな身分の若者たちの群衆劇として読んでも楽しい。
あと、こんなこと書いていいのかわかりませんが、
おがきちかさんは女性の描写がそこはかとなくフェティッシュでステキな気がします。
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『ドリフターズ』 [コミック]

平野耕太の新作、『ドリフターズ』を買いました!
命の値段の安い時代の人たちが、切ったはったの国盗り物語。
もしくは修羅道人生、夢の延長戦。

異世界に流れ着いた歴史上の人物、漂流者たち(ドリフターズ)の生きざまが熱い。
1巻からかなり大勢のキャラが登場していますが、クロスオーバー的な楽しさがあって燃える。
シヴィライゼーションやエイジオブエンパイアの舞台を架空世界にして
キャラ選択を無国籍の団体戦にしたらこうなりましたというロマンを感じる。

主役チームは、島津豊久と織田信長と那須与一という組み合わせ。
ファイターとコマンドとアーチャーでバランスは取れている、のかな?
三人とも侍というか武士というか、戦いが生業の人たちなので強い強い。
島津が生んだ殺人マッシーンと、織田家が生んだ焼き討ちマッシーンと、那須家が生んだゴルゴ13。
年齢はそれぞれ30歳と50歳19歳、チームワークが取れてくると三人家族みたいでいいね。
エルフの村を襲った騎士武官をボコしたあと、豊久を真ん中に座らせるあの二人はよくわかってる。

豊久は良い主人公。
考えるより先に身体が動くタイプの猛将で、「豊久は幸せもんだわ」の笑顔が素敵。
童顔で、伯父上に感謝していることが伝わる良い笑顔だった。
そのまま→「ようし!! ここは一番武者働きせねば」→「首置いてけ!!」につながる思考回路も良い。
第六天魔王は、合理的でシビアな発想のナイスダンディ。
与一は最初に見ただけじゃ性別がわからなかった。
あの別嬪さんが那須与一? 弓が上手くておとなげない黒髪ポニーテールさんが?
わあ、平野さん美形の引き出し多いやん!という感じでびっくりした。

1巻の時点で、漂流物サイドとして登場しているキャラはこの3人の他に、
ハンニバルとスキピオ、ワイルドバンチ盗賊団の二人、菅野直。

漂流者の敵である廃棄物(エンズ)サイドには、
黒王、土方、ジャンヌ、アナスタシアがいて、人外魔境の攻撃力で猛威をふるっている。
廃棄物のみなさんは、悲劇を迎えて亡くなった人物が揃っているようだ。
黒王の正体は今から約2010年前に生まれたあの人だろうか。

本編とは180度異なるノリで送られる巻末おまけ漫画では、
廃棄物のみなさんが台無しになっていて、だけど、土方さんは出てきませんでした。
土方さんは廃棄物メンバーの中でも特に真面目で、苦労してそうな印象です。

ともかく、平野耕太は何を書いても平野耕太だ、と思いました。
ヘルシングも楽しかったけど、ドリフターズも楽しい。台詞のセンスがいい。
続きが早く読みたいな。
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『ピアノの森』 17巻 [コミック]

ショパン・コンクールの続き。
アダムスキまさかの一次敗退の波紋と、第二次審査の幕開け。
カイがメインの16巻から一転して、この巻ではアダムスキとパン・ウェイに照明が当たります。
『ピアノの森』は、天才型主人公の一之瀬海(カイ)と努力型ライバルの雨宮修平を中心に話が
進むけど、彼らだけでなく、コンクールに参加しているピアノ少年少女たちの心理描写が熱いです。

……という真面目な感想と同時に、なんとなく思う、なにこの阿字野先生萌え漫画。
前々から思っていたけど、パン・ウェイのエピソードを読んでやっぱりそう思った。
阿字野先生大好きだけど、あまり素晴らしいキャラになると漫画全体のバランスが心配だ。
交通事故でピアノを弾けなくなって以降、表舞台を退いたせいで伝説的な存在になっている気がする。
カイにジャン爺に雨宮パパにパン・ウェイに etc.……モテるよねえ。
だから、この巻でクリスティナが、阿字野に憧れと焦りを持っている雨宮パパに
「あなたのピアノの方がずっと好きだったのよ!」というシーンは、いっそほっとした。
阿字野壮介の興奮剤みたいなピアノと、雨宮洋一郎の鎮静剤のようなピアノ。という
クリスティナの表現は好きだな。

アダムスキは最初から優勝候補の一人として登場して、華やかで、
世間の評判が高過ぎてわかりにくかったけど、ショパンに対して真摯な演奏者だった。

雨宮くんは、アダムスキの助言でようやく殻を破ったかと思ったら、
直後にカイに「友達は選べよ」とか言っちゃって、この子はまだまだ不安定だなあ。
アダムスキをかばいたくての発言でも、親切心からの忠告でも、不器用だ。
雨宮パパが無自覚に息子を追い詰めていることに、この親子は気付いていないのな。

パン・ウェイは堂々としていて端正で、凄絶な子ども時代を
阿字野壮介のピアノに憧れて育ったという第2のカイみたいな部分もある。
緊迫感ある演奏の後、スタンディングオペレーションする聴衆の中に
阿字野がいることに気が付いて表情を緩めるシーンは、おや、可愛い。
若き日の先生のピアノについて、周りの人の評価は聞けるけど、
本人がその当時、何を考えて、どういう気持ちで演奏していたかは描かれていないから、
パン・ウェイのエピソードに関連して読めたらいいなあ。

17巻は、カイの出番は多くないけど、第二次審査の会場で、
阿字野がパン・ウェイのピアノを聴いたらどう思うか、気にしてるのがよかった。
この師弟はお互い、素朴な思いやりがあって、応援したくなる。
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『少女ファイト』 6巻 [コミック]

日本橋ヨヲコ作、自分の居場所を探してたたかう女子バレー漫画。
たたかう相手は自分自身や周りの環境や過去のトラウマやその他諸々、
すなわち青春少女ファイト!です。

初めて『少女ファイト』を読んだとき、
週刊少年漫画雑誌に掲載されるような王道スポーツ漫画の女の子版かと思った。
バレーの基本的なルールや技能の説明が読みやすく描かれていて、
登場人物が練習熱心なところが好き。
この巻にあった「できれば若い女の子達に是非観て欲しいんです」
「恋愛以外何をしたらいいのかわからないってくすぶっている子は特に!」
という言葉は、この漫画の本質につながっている気がする。

6巻はルミコ編&各キャラの苦手なポジション克服編。
ルミコの家庭事情にスポットが当たるので、『G線上ヘヴンズドア』の読者には楽しかった。

「そもそも何でそんなにオレのことが好きなの?」と尋ねる町蔵に、ルミコ答えて曰く、
「わかんない なんかもう遺伝子レベルとしか思えない」に大笑い。
本人はすごく真剣だけど、たぶんそれが正解だ。ルミコの両親は二人とも町蔵好きだから、仕方ない。
町蔵と久美子の関係を週刊誌に書き立てられて、「この記事はとても心外ですよ」
「だってオレ達3人は不倫以上の関係ですからね」という鉄男の台詞は深すぎる。
ぜったい本気だ、この人。
「若い頃のママだったら地の果てまで追いかけてズッタズタにしてやるとこなんだけど……」と
怖い目をする久美子と、「も…もうルミがやっちゃったからいいよ~~」と宥める一人娘も笑える。
芋ケンピは危険物。
いま、ルミコがわりと情緒が安定していて中庸な精神を持っているのは、
親世代が波乱万丈な青春を越えてそれなりに穏やかな日々を送っている証のように思えた。
安心した。

黒曜谷バレー部の仲間はみんな友達思いで好きだ。
練はバレーをしているときの強さと、プライベートでの自信の無さのギャップが可愛げだなあ。
自分の都合で人を振り回すことを心配する消極的な気持ちは、ちょっとわかる。
学は常に建設的な方向に考えることができるので、安心して見ていられる。
ミチルは学ちゃんの家に入り浸って、すっかり小田切家のマスオさんだのう。
最近、シゲルが寂しそうで、ときどき背中が煤けてるのが気になる。
練と学が仲良しで、学がシゲルのライバルな三角関係はわたしには面白いけど
(練にはまだ恋愛とか難しいことはおいといて良好な友情を育ませてあげたい親心)、
ミチルに「女子のお泊まり会ってどんな話すんだろうな…」とか呟いているシゲルは、
元がしっかりした人だからこそ心配だ。がんばれお兄ちゃん。

漫画家を目指して道に見失い自室にひきこもった明に、
「高校へ取材に行きませんか?」という鉄男のアドバイスは、ビジネスライクで、優しくてよかった。
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『ちはやふる』 8巻 [コミック]

瑞沢高校かるた部による、世界で一番熱い百人一首マンガ。
「体育会系」とか「スポコン」とか頭を付けたくなるくらい、かるたに青春をかけてます。
一心不乱に練習して試合に望んでいて、熱い。
この巻は名人位・クイーン位挑戦者決定戦の東日本予選から、
クイーン戦の決着と名人戦の3試合目まで。

ちはやは良い主人公。
耳がいいという特技は持っているけど、それ以上に努力を続ける才能を持っていて、
到らなかったところはすぐに反省して、人の話を素直に聞ける。原田先生は良い弟子を持った。

東日本予選では、須藤くんに「知的な熊」と言われる原田先生がステキ。
普段は温厚な指導者なのに、試合のときはサケを獲るクマになるのですね。
前に、ちはやが先生にバレンタインのチョコレートを贈ろうとしてたけど、
今回の先生の雄姿に、かなちゃんもときめいていた。そりゃときめくさ。
百人一首をあくまで歌と捉えるかなちゃんの姿勢も好きだ。

クイーン戦・名人戦のBS放送を真島家の大きなテレビで鑑賞しようとして、
太一のお母さまに遭遇するシーンが大好き。
ちはやと太一のお母さまは、どうにも折り合いが悪いんだけど、
「ドキドキする……!」のコマだけホラーマンガ。

クイーン戦では、詩暢ちゃんが激変していてショックだった。なんてこったー!
シャープな戦い方とちょっとヘンな趣味が魅力のクイーンだと思っていたけど、
ああ、でも、ふくふくしていても可愛いよ。
本人がスノー丸ポーチ&ハンカチを手に入れて喜ぶならそれでいい。
(でも、そのうち元の姿に戻ってほしい。変幻自在でいてほしい……妖怪か)

それで、太一がちはやに構わずテレビの名人戦を見つめるシーンがあって、ホっとした。
いち読者としては、太一がちはやを好きなのはともかく、かるたも好きでいてほしいので、
真剣に吸収しようとしている様子がうかがえたのはよかった。
そのとき、名人戦でしか名人の試合は見られないんだと、ちはやをたしなめる肉まんくんもいい。

「ちはやふる」の全体で、あまり恋愛要素は大きくなってほしくないのだけど、
もどかしいくらいなのは微笑ましい。
太一がちはやに協力していじらしいことを知っているけど、
二人と物理的に離れても約束を大事にがんばる新の姿勢も好きだ。
微笑ましいくらいの状態でバランスを取っていてほしいな。
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『ボーズラブ!!!』 [コミック]

女人禁制の寺に転がり込んだ男前な女子と、やり手の住職の恋愛?まんが。
身も蓋もないタイトルだけど、看板に偽りはありません。

ヒロインが寡黙で真面目で情緒が安定していてよく働く寺男だった。
マツモトトモ作品の彼氏役が二人いるようなものだった。
甘さが少ないので、恋愛?とクエスチョンマークをつけたけど、
定義しづらいゆるい関係はむしろ望むところです。
そんなに掘り下げてないけど、お寺の共同生活ものとしても楽しかった。
一応、ちゃんと報われます。

続きが読みたいけど、作者はネームにかなり苦戦されたとのことなので、難しいかな。
マツモトさんのマンガは、仕事のできるイイ性格の男が、
飾らない性格の可愛らしい女の子を振り回しつつ翻弄される話が多い気がして、
今回も似たような傾向はあるんだけど、ヒロイン遥(ハルカ)が辛抱の利く男前なのが新鮮だった。
新規路線を開拓しようとする作者の姿が見られてよかったと思う。

マツモトさんは、もっと趣味に走った作品を描いてもいいと思うんだ。
ハルカが22.5のサイズの女性の足を支えて「キレイだ」と呟くシーンとか、はっとする。
自分と比べてどうとか女性らしくて羨ましいとかじゃなくて、
客観的に造形として好ましく感じたように見えた。そういう捉え方が好きだ。
というか、端書きで呟いてらした「人好きする優し気な男子の
悪気あるサディスティックな二面性」が見える瞬間の話を書いてください。

どちらかというとあっさりした絵柄で、物語が泥臭くなる前に淡々と話を畳んでしまうくせに、
クールなキャラにスーパーで「詰め放題は丁寧かつ迅速にな」とか言わせる身も蓋もなさや、
生活感あるツッコミが好きだったりする。
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『HELLSING』 10巻 [コミック]

ヘルシングの最終巻を読んだ。

なんともしあわせな最終巻でしたな。
アーカードのあの満足そうな顔。セラスの嬉しそうな顔。
ずっと前から知ってたけど、アーカードは局長が好きで、局長はアーカードが好きなんだな。
「手荒い歓迎だな。相変わらず騒々しい」

執事に見せ場があって泣いた。勝ちたかったなぁって本音過ぎる。
少佐はこれまでの中でこの巻が一番かっこよかった。表情がいいんだ。渋い。
隊長の「他人の女に手を出すから」発言もよかった。
「あたしの中でタバコ吸わないでください」も。
あの漫画でたぶんタバコは不屈と不敵、不遜の象徴。
眼鏡はなんの象徴だろう…。

セラスとインテグラが仲良くてよかった。
ヘルシングのみんなが揃って、表紙もしあわせ。
あんなセンチメンタルな話で終わるなんて思わなかった。
バレンタイン兄弟にも愛。

最終話の吸血未遂から滴るまでのシーン、伯爵と伯爵のプラトニックラブに萌え転がれる。
アーカードは局長の一挙手一投足を面白がって好ましく思っていそうで、
本当に屈折して趣味がいい。

カバーを外せばコスプレ大会。少佐に電流走る。
ダメだー、アーカーギはあんまりだー! 闇に舞い降りた吸血鬼ってそのままだー!

アーカードの戦いは最後シュレが持っていっちゃって物足りなくもあるが、
(ドクとの因縁は執事が大活躍で満足。彼女も片が付けいて満足)
もともと化物を倒すのはいつだって人間だという話だったし、インテグラとセラスの共闘はときめくし、
少佐も最後まで少佐で、不本意ながら格好いい。
連載開始から完結までに10年か、お疲れさまでした!
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