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『METAL GEAR SOLID GUNS OF THE PATRIOTS』 [読書]

伊藤計劃著、ゲーム『メタルギアソリッド4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット』のノベライズ。
ゲームのMGSシリーズについては、家人が遊んでいるのをはたから見たことがあって、
白い花が咲き乱れる草原で上官っぽい女性キャラに苦戦していたのを
知っているくらいだけど、あれが誰と誰だったのか、この本を読んで理解した。
これ一冊でMGSの歴史がだいたい把握できるくらい内容が濃い。

文体は一人称。作者が物語の語り手に仮託してMGSへの愛を叫んでる。
原作をとても愛していることが伝わって、こちらが照れてしまうよ。

小説としてはとてもゲーム的だと思う。
ゲームという制約の中で作られたシナリオだと意識する。
ああ、この部分が一つのヤマ場だなとか、この人はアイテム屋さんだな、と頭に浮かぶ。
作者が自分の味付けをして伸び伸び書くタイプのノベライズじゃなくて、
いかにゲームの設定や世界観、人物像を忠実に描くかに重心が置かれている気がした。

たった一冊にMGS4だけじゃなくてMGS1~3の内容まで詰め込んであるので、
どうしても足早に語っていて、ゲームをやってない人にはわかりにくい部分もあるけど、
これだけ戦争や戦場、兵士や兵器を扱った話で、繊細でセンチメンタル、という感想になるのが、
伊藤計劃さんの味。
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